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  •   社会保障論  
      度山 徹  
      法  
       
      前期 水曜日 5講時  

     2021年度の社会保障給付費は138.7兆円、GDPの25%を超える規模となっている。その財源は、社会保険料負担と税負担により賄われているが、長く税収が伸び悩む中、高齢化の進行により社会保障費が増加し、公債発行額の増大など国家財政を圧迫してきた。国家予算(一般会計)における社会保障関係費は、一般歳出の50%以上を占めており、社会保障の安定財源の確保と財政健全化は同時達成を目指して一体的に取り組むことが必要となっている。このような状況の中で、2012年以降、消費税率の引上げによる増収分を社会保障の充実や安定化に充当する社会保障と税の一体改革が進められてきた。

     一方で、高齢期の所得保障や医療ニーズへの対応など典型的なリスクに対応する形で発展し、家族機能や安定的な雇用への依存が大きかったわが国の社会保障システムは、雇用の不安定化、家族や地域社会の紐帯の弱化、女性の労働参加の拡大と出産、育児の両立困難、ひとり親世帯の増加と貧困、学校から社会への移行過程における困難、家族形成の困難と出生の急激な減少、孤立して生活する単身者の増加、住居の喪失や居住確保の困難など様々な新たなリスクが発生する中で、こうしたリスクに直面して生活困難を抱える者への対応も迫られている。特に、急速な出生率の低下に対して、次元の異なる少子化対策の検討が行われ、昨年末に「こども未来戦略」が策定され、2028年度までに3.6兆円という規模の政策の充実が図られることが決定されている。

     本講義は、社会保障制度の仕組みと社会経済に果たしている機能、社会経済の変化の中で生じている課題とそれに対する対応などを理解することを通じて、公共政策としての社会保障政策を論ずる際の基礎的な知識や考え方の習得を目的とする。

     The purpose of this course is to acquire basic knowledge and ways of thinking when discussing social security policy as a public policy. The detailed understanding of social security policy is recommended for careers in public services.

  •   年金政策論  
       
      法  
       
      後期 木曜日 4講時  

     年金制度については、非常に国民の関心が高いが、報じられる内容は断片的なものが多いことに加えて、世間の関心がどうすれば得か損かということに向きがちであり、制度全体を理解することは容易ではない。また、年金制度は、社会に出てから稼働生活を終えるまでの半世紀近い長い期間制度に加入し、稼働生活を終えてから生涯を閉じるまでの間給付を受けるという長期間にわたる保障の仕組みであり、その長い期間の間にどのような人生を歩んだかということでどのような保障が行われるか、人それぞれの様々な事情が反映する。また、社会経済の状況の変化に合わせて累次の改正が行われており、経過的な措置も含めて制度が非常に複雑になっている。これらのことが制度の理解を難しくしている。

     年金制度は、約6,700万人が加入し、約4,000万人の受給者がいて、毎年55兆円を超える規模の年金が支給されている巨大な仕組みである。年金制度をめぐっては様々な議論が行われているが、巨大な艦船が急旋回できないように、現実的に政策としてとることのできる選択肢の幅はそれほど広くはない。また、年金の制度設計は国によって異なっているが、先進諸国の間では直面する課題やその解決の方向性には共通点も少なくない。将来が誰にとっても不確実であるが故に、社会経済の変化に対応して、制度も改革を続けなければ、人の一生涯にわたる長い期間の保障はできないが、不確実な将来に対して知見が非常に限られる状況の中で、政策判断と合意形成を行っていかなければならないという困難を宿命的に背負った仕組みである。

     2024年は、5年に1度行われることとなっている公的年金の財政検証が実施される年に当たり、年金制度をめぐる報道を目にする機会も増加するであろうし、出生率の低下や平均寿命の伸長、働き方の多様化、女性や高齢者の就業の増加などの社会経済状況の変化を踏まえた制度改革議論も本格的に展開されていくことと思われる。担当教員は、年金制度における大きな節目となった2004年の制度改革をはじめ、延べ10年近く年金制度の企画立案に関わってきており、この経験を踏まえて、5年に1度迎えるこの特別な年に、年金制度に特化した講義を開講することとした。

     The purpose of this course is to acquire basic knowledge and ways of thinking when discussing pension policy as a public policy. The detailed understanding of pension policy is recommended for careers in public services.

  •   社会保障政策演習  
       
      法  
       
      後期 水曜日 5講時  

    (注)現段階で想定している内容を記述しているが、テーマ、内容について変更の可能性あり。

     近年、乳幼児とその親のひろば、子ども食堂、不登校・引きこもりの若者の居場所、高齢者の通いの場、認知症カフェなど、支援の対象、領域の枠を超えて「居場所づくり」が政策の一つの柱に位置づけられるようになっている。

     居宅生活をベースにした支援、特に介護サービスや障害福祉サービスの急速な普及により、支援を必要とする方々が、これまでの生活から切り離される形で施設入所するのではなく、地域において支援を受けながら生活を営むことが可能となってきているが、生活の基盤となる地域でのつながりや関わりに課題を抱え、孤立したり地域から排除されたりする課題も生じている。また、社会保障制度は、高齢期の所得保障や医療ニーズへの対応など典型的なリスクに対応する形で発展し保障を整備してきたが、家族や地域社会の紐帯の弱化、女性の労働参加の拡大と出産、育児の両立困難、ひとり親世帯の増加と貧困、学校から社会への移行過程における困難、家族形成の困難と出生の急激な減少、孤立して生活する単身者の増加、住居の喪失や居住確保の困難など、多様化し、これまで整備してきた保障制度の枠組みにストレートに対応しない新たなリスクが生まれ、こうしたリスクに直面して生活困難を抱える者への対応も迫られている。

     こうした現代社会が抱える問題へのアプローチとして地域コミュニティの構築(再構築)が課題となり、その拠点としての「居場所」の役割が領域を超えて注目されるようになってきている。ただし、集まる場所を作りさえすれば地域のつながりが生まれるかというと、それほど単純な話ではなく、自分にとって居心地がよく安心できる場所であり、他人との関わりの中で自分の存在を確認できる場所であることが居場所の機能として求められることが指摘されてきている。

     本演習は、各領域で展開されている「居場所づくり」について、居場所が今日の社会において果たしている機能や、そのために必要となる要素などについて、各領域における実践からくみとり、それを材料に行政の様々な分野で課題となっている「地域」と行政の関わり方について考察する。

     In this cource, we will learn from the practice in each area of creating “Ibasho” (place of belonging) that is being developed in each area, such as the function that a place plays in today's society and the elements necessary for that purpose. We will consider the relationship between "community" and government, which is an issue in various fields.

  •   公共政策特論Ⅱ  
      石山 英顕, 度山 徹, 宇田川 尚子, 松村 孝典, 御手洗 潤  
      法  
       
      通年 金曜日 5講時  

     実社会において向き合わなければならない幾多の政策領域を、学生が学ぶ機会は、意外に少ない。もちろん、地域政策、警察政策、環境政策、農林水産政策、まちづくり政策、社会保障政策といった政策領域の専門的かつ実践的な講義・演習が行われているが、我が国政府の担う政策領域は広範であり、それらに加えて学ぶべきことは多い。

     大学に限らず、実社会においても、各種の政策に関する諸制度が、どのような考え方に基づいて整備され、現実の社会においてどのような機能を果たしているのか等について各省庁、委員会(以下「各省庁等」)の実務担当者から直接話を聞く機会はほとんどない。また、現実に生じている様々な問題に対して、これらの制度に基づいてどのような対応がなされるか、また、それぞれの制度がどのような限界を持っているか、さらに現在どの様な方向でその改善が企図されているか等に至っては、ごく稀にしか、知る機会がない。

     本講義は、国家公務員や地方公務員といった行政官として政策プロフェッショナルを目指す学生及び公共政策について意欲的に学習していこうとする学生に対して、我が国の各省庁等が所管する様々な分野の政策領域を掘り下げ、検討することを通じて、こうした諸政策の基本的考え方を理解してもらうためのものである。また、実務政策学の各科目以外の政策領域についても、学ぶ機会を提供するものでもある。

    This omnibus lecture series are taught by guest lecturers who are experts in public policies in various fields. Guest lecturers are public officials of Japanese national government in Ministries, Commissions or Agencies.

    This course will give students an opportunity to learn the latest basic policies and systems of national government of Japan and to provide guidance in exploring career paths.

    Lectures will be given on Friday Evening in Katahira campus. The first lecture will be held on 12th April. More details will be announced by the beginning of each Semester.

  •   地方自治概論  
      石山 英顕  
      法  
       
      前期 木曜日 4講時  

     平成前期の地方分権改革により国と地方の関係性は大きく変容し、地方公共団体の権限が増大したが、分権改革はその後も脈々と継続している。行政体制の面では、分権型社会における新たな役割の受け皿整備の観点から、平成中期に全国的に市町村合併が進められた結果市町村数は約半減し、面積最小の香川県より大きな基礎自治体が誕生するなどしている。

     地方行政の面ではこうした大きな変革が成し遂げられてきたが、日本の長年の課題である東京一極集中は一向にとどまらず、人口減少局面への転換と相まって、地方部の多くの地域社会の存続が叫ばれるなど危機感が高まっている。

     地方行政の運営面においては、2040 年頃にかけて生じる人口構造の変化やインフラの老朽化等が様々な内政上の課題を顕在化させると言われる一方で、Society 5.0 の到来をはじめとする技術の進展、ライフコースや価値観の変化・多様化は、資源制約等の現れ方を変える可能性がある。このように、過去からの延長線ではなく、将来を展望して見えてくる変化・課題とその課題を克服する姿を想定した上で、現時点から取り組むべき方策を整理する視点が重要であり、地域社会を取り巻く環境が大きく変容していく中にあって、地方公共団体には、豊かで多様な価値観を背景とする住民の暮らしを持続可能な形で支えていくことが求められている。

     本講座では、将来の日本の形をも左右しかねない地方自治に関する制度の基礎と現状を理解することにより、今後のあるべき地方自治の姿や地方振興を考える上で必要となる知識の習得と思考力の養成を目的とする。

     This course introduces the basics of the local autonomy system in Japan. It will cover topics such as outline of local autonomy, municipal mergers, local public service personnel system, local government finance and regional revitalization.

  •   財政学  
      HIROSHI YOSHIDA  
      経  
       
      後期 火曜日 2講時 経済学部第2講義室 / 後期 金曜日 3講時 経済学部第2講義室  

    この授業では、公共部門である政府の資金調達(財政学)、支出の効果(公共経済学)の基礎的レベルを講義する。ここでは、経済理論的なアプローチに加えて、実証分析の手法と成果にも意が払われます。

    In this class, I will teach the basic levels of public finance (revenue of public sector, government) and effects of expenditure (public economics). I will focus on empirical analysis methods and results, in addition to economic theory.

  •   財務行政  
      KANJIRO ONISHI  
      経  
       
      後期 木曜日 2講時  

    本講義は、財務省行政の観察を通じて、公的分野におけるお金の流れ方について考察することを目的とする。特に、少子高齢化に伴い深刻さを増す我が国の財政状況や、財政健全化のための取組み等について理解したい。更に、今後、世界でも稀にみる財政赤字の国、かつ稀にみる低金利の国が、どうなっていくのか、皆さんと一緒に考察したい。

    The purpose of this lecture is to examine how money flows in the public sector through observation of the administration conducted by the Ministry of Finance. In particular, we would like to understand the fiscal situation in Japan, which is becoming increasingly serious due to the declining birthrate and aging population, and the efforts being made to restore fiscal soundness. Furthermore, we would like to think about what will happen to a country with a budget deficit, which is rare in the world, and a low interest rate, which is also rare.

  •   教育政策科学演習Ⅲ  
      後藤 武俊  
      教  
       
      前期 火曜日 2講時 総合研究棟906演習室  

    n/a

  •   行政学  
       
      法  
       
      後期 木曜日 3講時  

    行政学は、実証的な観点からその実相を理論的に分析するとともに、規範的な見地からその理念像をも提示する学際的な学問である。本講義では、おもに(1)基礎、(2)制度、(3)組織と管理、(4)政策、の4つのパートに分けて、日本を中心とする行政機構の実態を明らかにするとともに、できうればその将来像についても関説したい。

    Public administration studies analyse government and public policy through theoretical frameworks and show normative directions. This course mainly covers four topics: (1) basic of public administration, (2) institution of government, (3) organization and management of government, and (4) public policy.

  •   社会保障法  
      嵩 さやか  
      法  
       
      前期 水曜日 1講時  

    本授業は、少子高齢化の進展等に伴い、近年ますます関心が高まっている社会保障制度の仕組みを知ると同時に、社会保障制度を取り巻く法的問題・政策的課題についての知識を培い、幅広い法的思考力を養うことを目的とする。

    This course teaches the basics of social security law in Japan. The goal of this course is to understand social security systems and enhance the ability to consider actual legal and political questions surrounding social security.

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