シラバスの表示

社会保障論

前期 水曜日 5講時. 単位数: 2. 担当教員: 度山 徹. 科目区分: 展開講義. 授業形態: 講義. 対象学年: 3,4年次対象. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: -J. 使用言語: 日本語.

実務・実践的授業※○は、実務・実践的授業であることを示す。

週間授業回数

1回毎週

配当学年

3,4年

実施方法(対面・リアルタイム・オンデマンド・ハイブリッド等)

対面(片平キャンパスエクステンション棟)で実施

連絡方法とクラスコード

Google Classroom による。クラスコード:l6u3eqq(公共政策大学院と共用)

初回授業日等

4月10日(水)5限時

授業の目的と概要

 2021年度の社会保障給付費は138.7兆円、GDPの25%を超える規模となっている。その財源は、社会保険料負担と税負担により賄われているが、長く税収が伸び悩む中、高齢化の進行により社会保障費が増加し、公債発行額の増大など国家財政を圧迫してきた。国家予算(一般会計)における社会保障関係費は、一般歳出の50%以上を占めており、社会保障の安定財源の確保と財政健全化は同時達成を目指して一体的に取り組むことが必要となっている。このような状況の中で、2012年以降、消費税率の引上げによる増収分を社会保障の充実や安定化に充当する社会保障と税の一体改革が進められてきた。
 一方で、高齢期の所得保障や医療ニーズへの対応など典型的なリスクに対応する形で発展し、家族機能や安定的な雇用への依存が大きかったわが国の社会保障システムは、雇用の不安定化、家族や地域社会の紐帯の弱化、女性の労働参加の拡大と出産、育児の両立困難、ひとり親世帯の増加と貧困、学校から社会への移行過程における困難、家族形成の困難と出生の急激な減少、孤立して生活する単身者の増加、住居の喪失や居住確保の困難など様々な新たなリスクが発生する中で、こうしたリスクに直面して生活困難を抱える者への対応も迫られている。特に、急速な出生率の低下に対して、次元の異なる少子化対策の検討が行われ、昨年末に「こども未来戦略」が策定され、2028年度までに3.6兆円という規模の政策の充実が図られることが決定されている。
 本講義は、社会保障制度の仕組みと社会経済に果たしている機能、社会経済の変化の中で生じている課題とそれに対する対応などを理解することを通じて、公共政策としての社会保障政策を論ずる際の基礎的な知識や考え方の習得を目的とする。

 The purpose of this course is to acquire basic knowledge and ways of thinking when discussing social security policy as a public policy. The detailed understanding of social security policy is recommended for careers in public services.

授業内容・方法と進度予定

 講義形式で行う。内容としては、社会保障の総論及び社会保障・税一体改革において消費税収の使途と位置づけられた年金、医療、介護及びこども・子育て支援の4分野をそれぞれ3回ずつ取り上げることを予定している。
 現段階で想定しているスケジュールは以下のとおりである。
 第1回  オリエンテーション、社会保障の機能
 第2回  社会保障と国家財政
 第3回~第5回  年金制度
 第6回~第9回  医療制度
 第9回~第11回  介護制度
 第12回~第14回 こども・子育て支援
 第15回 全世代型社会保障の構築、講義の総括

学習の到達目標

 社会保障制度の仕組みと社会経済に果たしている機能、社会経済の変化の中で生じている課題とそれに対する対応などを理解することを通じて、公共政策としての社会保障政策を論ずる際の基礎的な知識や考え方の習得を目標とする。

成績評価方法

 期末に、講義内容に関連して、各自の問題意識や関心に沿って設定したテーマによるレポートの提出を求める。レポート内容(70%)、講義の出席状況や質疑内容(30%)で総合的に評価する。原則として、5回以上の無断欠席がある場合及びレポートの提出がない場合には単位は認定しない。就職活動などでやむを得ず欠席する場合には事前に欠席連絡を行うこと。やむを得ない欠席回数が多い場合には、救済措置としての課題提出を求めるので相談のこと。

教科書および参考書

 教科書は使用せず、教材として毎回講義資料をGoogle Classroomを通じて配布する(紙資料が必要な場合は自分で印刷すること)。参考文献等は、講義の中で適宜紹介する。

授業時間外学習

 講義の受講に際して、社会保障制度に関する詳しい知識は求めないが、講義の前に基礎的な知識を頭に入れておきたい方は、椋野美智子・田中耕太郎(2023)『はじめての社会保障〔第20版〕』有斐閣アルマ(講義開始時には新版が出ている可能性あり)などの基礎的なテキストを読んでおかれることをおすすめする。また、毎回講義で用いる資料をGoogle Classroom にアップロードするので講義の前に目を通しておくことを推奨する。さらに、講義期間中に、興味関心を持った内容に関して、関係する政策に関する政府資料や白書、書籍などの自主的な学習を進め、後述する期末レポートの準備を行っていただくこととなる。

その他

○ 本科目は、公共政策大学院との合同とし、片平(エクステンション棟)で開講する。
○ 講義形式で行うが、講義中に当方から質問したり、質問を受け付けたりすることがある。積極的な発言を期待する。
○ 担当教員は、厚生労働省から出向中の実務家教員である。
○ 資料の配付や必要な連絡はGoogle Classroomから行うので、受講者は登録すること。(クラスコード:l6u3eqq)

 これと関連したシラバス 学務情報システムで確認
このシラバスを共有