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中国は、日本にとって重要な経済パートナーであると同時に安全保障上の懸念材料でもある。また、中国は、国際的な影響力を強めている一方で、国内の不安定化という問題を抱えている。
なぜ、このような矛盾が生じるのか?
本講義は、日本の将来を考えるうえで無視することのできない存在である中国に焦点をあて、政治学の分析枠組みを用いて、その基本的特徴について考察することを主たる目的としている。言い換えれば、中国はどんな国かということについて政治学の視点から把握しようとする試みである。
講義では、国民国家やナショナリズムという分析枠組みに関する基本的な説明を踏まえ、中国の国家形態が皇帝専制国家から国民国家へと変容する過程および中華人民共和国における共産党の統治の在り方について論じる。19世紀末以降の日中関係について考察することも本講義の重要な目的の一つとなる。
This lecture focuses on the process of nation-state building in modern China. It will examine the transformation of the character of modern Chinese nationalism and analyze the political structure of the Chinese communist regime.
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略は、約2年経過した現在も終息の兆しは見えない。ロシアは国連安保理常任理事国の一国として国際社会で軍事的、政治的に重要な役割を果たしている。今日のロシアを深く理解するためには、その過去を理解する必要がある。20世紀初頭から現在に至る100年余りの歴史、3つの国家が入れ替わった歴史を概観することが本授業の目的である。日露戦争で幕を開けた20世紀初めのロシア帝国時代、1917年のロシア革命による帝国の崩壊、帝国を引き継ぐ新しい社会主義国家ソ連の誕生、レーニンやスターリンによる国家改造、独ソ戦争後の米国と並ぶ超大国としての出現と東西冷戦、ゴルバチョフによるペレストロイカとソ連の崩壊、新生ロシアの誕生とプーチンの長期政権という大きな流れをたどる。
Even though almost two years have passed since Russia invaded Ukraine, the war shows no signs of coming to an end. Russia (the Russian Federation), a permanent member of the UN Security Council, is a country with important military and political roles in the international community. To better understand Russia today, however, one has to understand the nation's past. This course aims to provide an overview of the history of Russia over the past 100 years, including the history of its three States -- Russia, the Soviet Union, and the Russian Federation. This lecture includes topics as follows. The Russo-Japanese War, World War Ⅰ, Russian Revolution of 1917 and the collapse of Russian Empire, the birth of the Soviet Union and reorganization of statehood in the socialist principles by Lenin, Stalin, the emergence of Great Power after the Great Patriotic War, the Cold War, Perestroika by Gorbachev and the demise of Soviet Union, Putin’s long-term reign in the twenty-first century etc.
近年、東アジア、とりわけ日中関係の政治的緊張は各方面に様々な影響を及ぼしている。
本講義では、現在日中関係の問題の根源を歴史的に遡って考え、政治史・思想史的問題と今日的問題との橋渡しをしたいと考えている。
各時期の日中知識人の「アジア」認識を取り上げながら、19世紀半ばから現在にいたるまでの東アジアの歴史的経緯、およびそこに見られる「アジア」認識の連続性と変容、またその変容の背景と原因を概説する。
さらに、今後一層重要となっていく日中関係の展望と、それの東アジア国際関係における位置づけについても説明を加える。
近年、歴史学の分野ではグローバルヒストリーの手法が盛んに用いられ、地域横断的または超長期の比較考察が一般化している。この分野における地検は、一国を単位とする縦横の比較を基本としてきた比較政治学に対してどのような示唆を与えるのだろうか。この演習では、グローバルヒストリーを代表する2つの著作を取り上げ、歴史学と比較政治学の相補的な関係についての考察を深める。
In recent years, global history methods have been widely used in the field of history, and cross-regional or very long-term comparative studies have become commonplace. What implications does geographical examination in this field have for comparative political science, which has been based on vertical and horizontal comparisons within a single country? In this exercise, we will discuss two leading works in global history to deepen our consideration of the complementary relationship between historiography and comparative politics.
中小国をも含めたヨーロッパを対象とする歴史学と政治学研究の接点を紹介する。講義Ⅱでは、1848年革命から両次大戦間期までをとりあげることが目標である。
This course lectures on the European political history covering not only great powers but also small countries, using the concepts of the European comparative politics. It deals with the French Revolution, the rise of parliamentary democracy from the mid-19th century till the early 20th century, and its crisis and demise in the interwar period.