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開発協力論演習Ⅱ

後期 水曜日 4講時. 単位数: 2. 履修年度: 2024.

実施方法(対面・リアルタイム・オンデマンド・ハイブリッド等)

対面

連絡方法とクラスコード

Google Classroomを使用 w6uel55

初回授業日等

第1週目に時間割通りに開講します

授業の目的と概要

 日本の開発協力(政府開発援助, ODA)は、「第二次世界大戦後の日本の外交政策の主要で、おそらくは最も重要な手段」と言われていますが、その評価は様々です。開発協力論演習Ⅰ(前期)とⅡ(後期)では、政治経済学や国際政治学を中心に、さらには開発経済学、社会学、文化人類学の立場から、日本の開発協力(援助)の政策過程、役割、効果、意義に焦点を当てて考察するとともに、途上国の開発問題についても考えていきます。
 授業では、全員が課題文献を読み、事前にレポートを提出した上で、文献の内容について議論するという形を取ります。

授業内容・方法と進度予定

● 以下の文献から複数を選択して読みます。後期の文献は外交政策や国際政治関連のものを中心にします。受講生の皆さんには、2週間毎に読書レポート(日本語)を授業前に提出してもらい、授業では、各自が提出したレポートを踏まえて議論をします。

【入門・基礎】
• 西垣昭、下村恭民、辻一人、2009年『開発援助の経済学――「共生の世界」と日本のODA(第4版)』有斐閣。
• 大森佐和、西村幹子編、2022 年『よくわかる開発学』ミネルヴァ書房。
• Kato, Hiroshi, Shimomura, Yasutami, and Page, John, eds. 2016. Japan’s Development Assistance:Foreign Aid and the Post-2015 Agenda, Pagrave/Macmillan.
【開発協力の現場】
• 松本悟、佐藤仁編、2021年『国際協力と想像力—イメージと「現場」のせめぎ合い』日本評論社。
• JICA研究所『プロジェクト・ヒストリー』シリーズ、ダイヤモンド社/佐伯印刷。
 - 屋根もない、家もない、でも、希望を胸に : フィリピン巨大台風ヨランダからの復興
 - 中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を : 教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡
 - いのちの水をバングラデシュに : 砒素がくれた贈りもの
 - プノンペンの奇跡 : 世界を驚かせたカンボジアの水道改革
 - クリーンダッカ・プロジェクト : ゴミ問題への取り組みがもたらした社会変容の記録
 - 西アフリカの教育を変えた日本発の技術協力 : ニジェールで花開いた「みんなの学校プロジェクト」の歩み
 - 中米の知られざる風土病「シャーガス病」克服への道 : 貧困の村を襲う昆虫サシガメの駆除に挑んだ国際プロジェクト
 - マダム、これが俺たちのメトロだ! : インドで地下鉄整備に挑む女性土木技術者の奮闘記 : ヒューマンヒストリー
【外交政策、国際政治学】
• ロバート・オアー、1993年『日本の政策決定過程―対外援助と外圧』東洋経済新報社
• 恒川惠市、2013年「開発援助――対外戦略と国際貢献」大芝亮編『日本の外交第5巻 対外政策 課題編』岩波書店。
• 『国際援助・国際協力の実践と課題』 (国際政治 186号)の各論文
• 小川裕子、2011年『国際開発協力の政治過程―ー国際規範の制度化とアメリカ対外援助政策の変容』東信堂
• 岡部恭宜、2023年「米国平和部隊から青年海外協力隊へ」村田晃嗣編『外交と戦略』彩流社
【南南協力】
• Peter Kragelund. 2019. South-South Development. Routledge.

● 15回の進度予定は次の通り(変更はありえます)。
① 授業案内、基礎的な講義
②③ 課題文献1(以下、具体的な文献の順番は初回に指示します)
④⑤ 課題文献2
⑥⑦ 課題文献3
⑧⑨ 課題文献4
⑩⑪ 課題文献5
⑫⑬ 課題文献6
⑭⑮ 課題文献7

学習の到達目標

(1) 日本の開発協力に関する政策、組織、援助の手段・案件、思想、評価について知識を増やすこと。
(2) 開発協力が日本政府や日本人にとってどのような意義を持つのか、自分なりに考察できるための観点を習得すること。
(3) 開発協力が被援助国やその人々にもたらす影響や効果について、自分なりに考察できるための観点を習得すること。

成績評価方法

読書レポートの提出、その内容、議論への参加を評価します。
欠席は2回まで認めますが(3回以上は単位なし)、それも、やむを得ない事情であり、きちんと事前に連絡してきた場合に限ります。

教科書および参考書

課題文献以外なし。

授業時間外学習

課題文献の読書およびレポートの執筆。

その他

*【注意】開発協力論演習Ⅰ(前期)とⅡ(後期)はそれぞれ独立した授業です。従って、Ⅰだけ、またはⅡだけ履修することも可能です。
* 初回の授業で、授業案内を詳しく行うので、履修希望者は必ず出席して下さい。なお、本演習は研究大学院、公共政策大学院、学部の合同授業とします。

This course teaches development cooperation and covers the fundamental and thorough principles of development aid policies. The detailed understanding of development cooperation is necessary for careers in public/NPO/voluntary services.

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