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博物館展示論 / Museum exhibit planning and design

通年集中 その他 その他. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 水澤 教子. セメスター: 6. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LHM-CUM305J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

博物館展示論

授業題目

博物館展示の理論と実践

Course Title (授業題目)

Theory and Practice of Museum Exhibit

授業の目的と概要

展示は、博物館が収集・整理・保存して蓄積した資料を学際的な領域から調査研究して情報を引き出し、学術的かつ教育的な配慮のもとに、一般に広く公開することであり、博物館活動の要である。そして展示に込めた学芸員や博物館のメッセージは学術的にも社会的にも恩恵を与えるものでなければならない。本科目では、様々な展示の形態や歴史を知るとともに、展示の理論や方法論を把握し、さらに資料から展示を組み立てるにあたっての具体的な技術を修得することを目的とする。また、展示そのもの以外にも展示を構成する博物館での様々な取り組みを、実践例をもとに具体的に整理しながら紹介し、自主的に考え、実践できるような能力を養成する。

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

This course is a part of qualification for the curatorial occupation by the Japanese government. The lecture covers essential subjects for the museum exhibition, from both educational facets and scientific objectivity. Practical knowledge and techniques for effective displays in exhibition halls and respective exhibit booths in the room are introduced. Aspects as the message on the part of the curatorial staff are also discussed, through various examples of display materials and texts.

学習の到達目標

展示の歴史、展示メディア、展示による教育活動、展示の諸形態等に関する理論および方法に関する知識・技術を修得し、博物館の展示機能に関する基礎的能力を養う。

Learning Goals(学習の到達目標)

Students are expected to learn fundamental techniques and methods for effective museum exhibits, including history, media, education, and forms of exhibition.

授業内容・方法と進度予定

授業の実施形態:ハイブリッドで行います。

1.「博物館と展示」:博物館の分類・種類を確認し、それぞれの意義や役割どのような展示が行われてきたかを実例をもとに概観する。特に総合博物館、自然史博物館、歴史博物館、美術館の代表例を取り上げる。

2. 「展示と展示論の歴史」:ディスプレイとしての展示と展示論の学史を具体例を参考にしながら学ぶ。また日本の博物館の歴史を展示の視点から整理するとともに、明治時代以来展示の目的と理念がどのように考えられ説明されてきたかを概観する。

3. 「展示の諸形態」:展示の形態に関して、展示意図の有無、提示型と説示型、見学者の参加の有無、学術的な視座など12種類の分類について学ぶ。さらに第一、第二、第三世代の展示の進化形態を実例に即して整理する。

4. 「展示の政治性と社会性」:博物館の展示が社会教育、生涯教育と深く関係する事例として、第一に戦争と展示、第二に民族と展示を具体的に取り上げて解説する。

5. 「展示の製作」:展示の構想、基本設計、実施設計から完成までの流れを把握する。タイトル、期間設定、資料選定、動線・視線といった展示の基本的な事項と、実際の作業工程管理の重要性について認識を深める。

6. 「展示の実務」:展示ケース、各種演示具など展示のための設備や造形物(模型、複製、ジオラマ)についてその分類や特徴を捉える。また、情報の伝達装置として解説パネル、キャプションの製作方法や、より効果的に見せるための調光方法について整理する。

7. 「展示解説Ⅰ-パネルとグラフィック」:文字パネルによる文章解説や音声解説、画像を重視したグラフィックパネルや機器による解説について整理する。また、来館者に対するよりよい解説方法について学習する。

8. 「展示解説Ⅱ-展示図録ー」:展示図録の意義をおさえ、その作成プロセスと印刷方法、メディアの使用方法、校正の流れ等を具体的に講義するとともに、最近の展示図録のうち代表的な事例を紹介する。また、指定文化財の掲載公開に関する注意点についても触れる。

9. 「展示解説Ⅲ-人による解説」:学芸員による口頭での解説の種類を知り、より効果的な解説を行うための注意点を抑え、具体的な解説事例から学ぶ。また、ミュージアムワークシートの活用方法やその意義を捉える。

10. 「展示の評価と改善更新」:博物館評価について、博物館が主体的に実施する自己評価、外部評価、第三者評価、そして博物館の設置者が行う評価について、具体例を交えて解説する。

11. 「展示環境と動線計画」:具体的に展示を見ながら来館者の動きと動線の関係、照明の使用方法を確認する。展示物により興味を持たせるためのワークシートやアンケートを作成し、学芸員の活動を実体験する。

12. 「資料整理と展示」:アーカイブスの整理方法と展示方法に関する具体例を見学し、より分かり易く知的欲求を満たす展示について考察を深める。

13. 「調査研究の成果としての展示」:資料を調査・研究し、そこから引き出された事実を蓄積して展示を構築していく説示型展示の具体的実践例を紹介。展示の役割と重要性、市民への還元の様相を把握する。

14. 「コミュニケーションとしての展示」:展示への理解をより深めてもらうための具体的な取り組みの工夫、来館者とのコミュニケーションの実践例について学習する。

15. 「展示の意義および試験」:博物館における展示の意義を理解する。

Class Schedule and Activities(授業内容・方法と進度予定

The course covers such subjects as, exhibits in museums, history of museum exhibition, various forms of museum exhibition, political and social aspects of museum exhibits, production of actual museum exhibition materials, selection of display subjects, practical techniques for exhibition, explanations for display matters, both panels and graphics, also catalogs and booklets. Explanations by the museum staff are also introduced. Good commands of the Japanese language are indispensable to successfully accomplish the coursework requirements.

成績評価方法

(○)筆記試験[40%]・(○)出席[60%]

Grading Plan(成績評価方法)

written examination (40%), attendance (60%).

教科書および参考書

プリント資料を随時配布する。また参考文献については講義中に指示する。

授業時間外学習

予習として事前に可能な範囲で博物館や美術館を訪問し、自分なりの博物館のイメージを作る。復習として授業で学んだ点を博物館を訪問して確認してみる。

実務・実践的授業/Practicalbusiness※○は、実務・実践的授業であることを示す。/Note:"○"Indicatesthe practicalbusiness

その他

主として実践的教育から構成される実務・実践的授業/Practical business

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