前期 木曜日 2講時 川北キャンパスB204. 単位数/Credit(s): 2. 担当教員(所属)/Instructor (Position): 原田 勝孝 所属:情報科学研究科. 対象学部/Object: 全. 開講期/Term: 3セメスター. 科目群/Categories: 全学教育科目基盤科目-社会科学. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: ZFS-OSO101J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.
各学部の履修内規または学生便覧を参照。
社会調査、サーベイ実験、携帯電話移動情報
本講義は、3つの内容を扱います。まず、社会調査において意図的あるい無意識に起こる伝達者側の誤りが正確な世論にどのようなバイアスをもたらすかを教科書に沿って類型化し学びます。次に、近年のインターネット調査の普及とともに活発に行われるようになったサーベイ実験について、その方法や長所、短所、応用例を学びます。最後に、スマートフォンの普及によって利用されるようになった携帯電話移動情報データ(GPSデータ)を用いて政治経済活動を分析する方法を長所、短所、応用例とともに学びます。
社会調査が潜在的に持つ様々な問題点を主体的に意識しながら、報道に接することができるようになる。
サーベイ実験によるデータ収集の方法とその長所短所を理解し、必要に応じて利用できるようになる。
携帯電話移動情報の活用方法とその長所短所を理解し、必要に応じて利用できるようになる。
講義は教科書と論文、スライドに沿って進めます。一回の講義は、前回の復習と質問(10分)、Google Classroomによる小テストとその解説(25分)、講義(55分)の構成で進めます。
本講義は基本的に対面授業で行いますが、各種感染症やその他の事情で一部の回をオンライン上でのオンデマンド(ビデオ)実施とする可能性があります。
1 講義の概要(イントロダクション)
第一部 社会調査リテラシー
2 誘導尋問・あいまいさ、印象操作
3 主観測定、比較不能サンプル
4 逆の因果、隠れた変数
5 標本選択バイアス、選択バイアス
6 その他のエフェクト
第二部 サーベイ実験の方法
7 ヴィネット実験
8 コンジョイント実験
9 リスト実験
10 ランダム化比較実験
11 承認実験
第三部 携帯電話移動情報データ
12 概要
13 社会科学への応用1
14 社会科学への応用2
15 講義のまとめ、予備日
毎回の講義の小テスト(50%)と期末レポート(40%)、授業中の態度(10%)で評価します。
小テストは、Google Classroomを用いて前回の講義の内容の理解を問う問題を出題します。
期末レポートは、次の(1)~(3)から1つ選択してください:(1)実際に行われた社会調査から授業で解説するような問題を含むものを探し、調査の問題点や問題の種類、結果に与える影響と改善点を説明するスライドを2点、(2)サーベイ実験を用いた国内外の研究を取り上げ、その研究の概要や、サーベイ実験の種類、その手法を用いることの利点と欠点について説明するスライドを1点、(3)携帯電話異動情報を用いた国内外の研究を取り上げ、その研究の概要や、情報処理技術で特筆すべき点、そのデータを用いることの利点と欠点について説明するスライドを1点。(1)は題材の社会調査上の問題点の深刻さ(影響が大きいのに自覚されていないこと)、(2)と(3)は題材となる論文の学術的重要性、共通の評価項目として、解釈や考察における事実関係の正確性、論理の一貫性、視点の独創性、そしてスライドを通じた表現力を基に評価します。
授業中の態度は、こちらから質問した内容に対する回答と授業内容に対する質問について、積極性や正確性、独創性を基に評価します。
予習としては、次週の内容に該当する教科書、参考書、論文に目を通してください(30分)。
復習としては、次週の小テストで回答できるように授業で学んだ事を確認してください(90分)。
関連学習としては、期末レポートの助けとして、世の中で行われている社会調査やサーベイ実験、携帯電話異動情報を用いた調査の話題について日々の生活で意識するようにしてください(60分)。
講義の初めにGoogle Classroomで小テストに回答するため、スマートフォンで入力するのに時間がかかる人は、PCを持参してください。回答ができれば、タブレット等、その他の電子機器でも大丈夫です。