後期 水曜日 1講時 川北キャンパスC203. 単位数/Credit(s): 2. 担当教員(所属)/Instructor (Position): 山内 保典 所属:高度教養教育・学生支援機構. 対象学部/Object: 2セメ:文教医保歯工(1~5、13~16組)農/4セメ:医保歯薬. 開講期/Term: 2・4セメスター. 科目群/Categories: 全学教育科目基盤科目-情報. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: ZFT-IST801J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.
各学部の履修内規または学生便覧を参照。
あなたの選択:事例で考える学びと研究における倫理
Academic Integrity
知を生み出したり、活用したりする際に、どのような作法に従い、何を考慮すべきなのかについて理解することは、知識基盤型社会においては、研究職に限らず、様々な場で活躍する上で必要です。同時に、新しい知は次々に生まれており、その中で生じる問題に対処するためには、その作法自体も更新していくことが求められます。
現在、研究倫理に関する有用な指針は多くあるものの、個々の具体的な場面では、何が正しい行為なのかを判断することや、望ましい行為を実行することが難しいこともあります。その一方で、大学生活の中で、皆さんはこのような悩ましい問題に取り組み、作法を知るだけでなく、実践できるようになることが期待されています。
そこでこの授業では、皆さんが実際に学びや研究活動の中で直面しそうなジレンマが存在する事例を題材に、複数の行動の選択肢がそれぞれどのような価値を重視しているのか、その中で一般的にはどのような行為が推奨されるのか、その望ましい行為を妨げている原因や状況は何か、どうしたらその原因を取り除いたり、回避したりできるのかについて考えていきます。そして、より良い学習や研究を促す環境づくりに向けた、アイデアを出していただきます。
In this class, you will discuss academic integrity using examples of dilemmas that you may face in your learning and research activities. You will propose ideas for creating a good learning and research environment.
【知識・理解】社会の期待と責任を担っていることを自覚する。研究倫理に関する代表的なジレンマと、そこで研究倫理の観点から推奨される行為とその理由について説明できる。アカデミックインテグリティの基礎を知る。
【関心・意欲】正解が一つではない問題に対し、粘り強く考えることができる。事例で端的に表現されている研究倫理に関するジレンマを、現実に起きている具体的な事例と対応づけられる。研究倫理が問われる日常的な事例を自ら発見できる。
【思考・判断】研究倫理について自分の意見を持ち、論じることができる。相容れない価値観についても、その立場に沿って思考することができる。
【表現・技能】意見が異なる人とも議論を構築できる。主張の共通点や相違点を分析し、整理して表現することができる。
[Knowledge / Understanding] Know the basics of academic integrity.
[Interest / Motivation] Discover everyday cases that require research ethics.
[Thinking and Judgment] Have your own opinions and discuss about research ethics.
[Expression / Skills] Analyze common points and differences of claims, and organize and express them.
授業は対面で開講します(新型コロナウイルス感染症の状況により、予定を変更する可能性あり。対面はリアルタイム・オンライン受講も可能な限り対応)。変更が生じた場合、Googleクラスルームで連絡します。
東北大学新型コロナウイルスBCPレベル2以下、かつ、国や地方自治体から宮城県・仙台市に緊急事態宣言等が発令されていないことを対面実施の必要条件とします。
1:ガイダンス
教員の紹介、授業概要および成績評価の説明、受講生の自己紹介等を行う。
2:責任ある研究活動の概説
責任ある研究活動と、それを遂行する鍵となる「アカデミック・インテグリティ」を紹介する。
3・4:学びの場に参加する-授業に関連する事例
代返や遅刻は、「アカデミック・インテグリティ」の観点から見た場合、どのような場合に、何が問題になり得るのでしょうか。架空の事例に基づいた議論等を通じて考えていきます。
5・6:共に学ぶ-議論に関する事例
議論をコントロールしすぎることや、逆に、まったく発言をしないことは、「アカデミック・インテグリティ」の観点から見た場合、どのような場合に、何が問題になり得るのでしょうか。架空の事例に基づいた議論等を通じて考えていきます。
7・8:学習成果を自分の言葉で表す-レポートに関する事例
コピペで作成したレポートや、友人の実験データを書き写すことは、「アカデミック・インテグリティ」の観点から見た場合、どのような場合に、何が問題になり得るのでしょうか。架空の事例に基づいた議論等を通じて考えていきます。
9・10:研究現場の事例
研究者や技術者が直面する可能性ある問題について、動画教材等を使いながら考えていきます。
11・12:社会の中の科学を巡る議論
科学技術と社会の接点で生じる問題について、議論等を通じて考えていきます。
13・14・15:学習・研究環境づくりの提案
より良い学習・研究環境づくりに向けた提案を考え、発表してもらいます。
*受講状況を見ながら、適宜、変更する可能性があります。
1:Guidance
2:Academic Integrity(Lecture)
3-12:Discussion about examples(e.g.Copy and paste in reports)
13-15:Discussion about ideas for creating a good learning and research environment
・議論への貢献度:28%(2点×14回)
・小レポート:56%(4点×14回)
・より良い学習・研究環境づくりに向けた提案の評価:16%
Contribution to discussions: 28%
Reports: 56%
Ideas for creating a good learning and research environment:16%
「科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-【テキスト版】」(日本学術振興会)
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1353972.htm
「THE LAB」http://lab.jst.go.jp/
東北大学学習・研究倫理教材 Part 1:あなたならどうする? 誠実な学びと研究を考えるための事例集
http://hdl.handle.net/10097/00122370
研究公正ポータル https://www.jst.go.jp/kousei_p/
毎回、授業を振りかえるための小レポートを課します。
加えて、ワークショップや議論に必要な準備を宿題として課すこともあります。
Report
不要(ただし、議論の整理でオンラインホワイトボードを使用するなど、持参した方が便利)