前期 火曜日 2講時 川北キャンパスA406. 単位数/Credit(s): 2. 担当教員(所属)/Instructor (Position): 森 一郎 所属:情報科学研究科. 対象学部/Object: 1セメ:文教理工(6~14組)/3セメ:全. 開講期/Term: 1・3セメスター. 科目群/Categories: 全学教育科目基盤科目-人文科学. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: ZFH-PHI101J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.
各学部の履修内規または学生便覧を参照。
ハイデガーと哲学の可能性
Heidegger and the Possibilities of Philosophy
哲学は、移ろいやすい世の中にあって変わらずにあり続けるものについて、じっくり考える営みである。その一方でわれわれは、まさに現実の生活経験のただ中で、ものを考えるきっかけに出会う。20世紀最大の哲学者と称されるマルティン・ハイデガー(1889-1976)も、日常性から出発してみずからの根本問題を摑みとった思索者であった。この授業では、ハイデガーの思索を手がかりにして、現代における哲学の可能性を考えてゆく。
【授業履修上の注意事項】
*この授業は、対面で実施しますが、オンライン連絡ツールとしてGoogle Classroomを併用します。
*この授業は、初回から対面で行ないます。
*履修希望者数が教室収容定員を超えることがないとは限りませんので、履修を希望する学生は、初回のガイダンス授業を必ず受けてください。
1.じっくりものを考えるということの重要性を理解する。
2.「物たちのもとで、人びととともに、この世界に存在している」という当たり前の事実が、そのまま哲学上の問題現象を形づくることを理解する。
3.哲学の歴史に学ぶことの重要性を理解する。
4.今日的問題を根本的に掘り下げることの重要性を理解する。
5.人類の将来に思いを馳せ、世界への愛をはぐくむ。
ハイデガーの思索の道は、第一次世界大戦の戦中・戦後を経て、主著『存在と時間』を刊行し、世界的名声を得るまでの前期(1914-1933)、ナチス政権成立直後にフライブルク大学学長となり、一年足らずで辞任したのち沈潜し、第二次世界大戦を迎える中期(1933-1945)、ドイツ敗戦によりナチス関与の責任を追及される一方、人間中心主義を批判し、現代技術の本質に思索を傾けた後期(1945-1976)の三期に分かれる。この授業では、後期ハイデガーに焦点を当てる。
第1回:オリエンテーション
第2回:哲学者の誕生
第3回:『存在と時間』へ
第4回:『存在と時間』から
第5回:哲学と政治
第6回:戦後の再デビュー(その1)
第7回:戦後の再デビュー(その2)
第8回:原子力時代を思索する(その1)
第9回:原子力時代を思索する(その2)
第10回:晩年の境涯(その1)
第11回:晩年の境涯(その2)
第12回:ハイデガーと近現代日本(その1)
第13回:ハイデガーと近現代日本(その2)
第14回:ハイデガーと近現代日本(その3)
第15回:まとめ
学期末レポートを主とし(60パーセント)、平常点(コメントペーパーの提出など)を加味する(40パーセント)。
教科書はとくに定めず、授業用プリントを毎回配布する予定なので、予習・復習に活用してほしい。とくに、授業後はプリントをもう一度読み直して理解を深めること。さらに、指定参考書の読書に挑戦することが望ましい。
不要