毎週月曜日 19:40~21:10. 単位数/Credit(s): 2. 授業代表教員/Director: 朝倉 京子. 開講期間/Term of Classes: 2024年10月7日(月)~2025年2月3日(月). 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: -J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.
看護倫理
看護における倫理的課題と意思決定
教授 朝倉京子
オンライン
保健医療看護領域における倫理的意思決定に必要な学術的知識を習得し、倫理的感受性と道徳的推論能力を養い、倫理的意思決定を導く能力を身につける。
1)看護における倫理的課題にはどのような特徴があるのかを知る。
2)倫理的意思決定を導くための倫理的原則について知る。
3)看護実践における具体的な事例について、専門的な立場から解決する方法を習得する。
1)授業方法:プレゼンテーションと討議により進める。
2)授業計画:
第1回:ガイダンス
第2~12回:指定の教科書をもとにして、看護職、特に専門看護師が解決すべき倫理的課題とその職責についてプレゼンテーションと討議をする。
<具体的計画>
第2回:ヘルガ・クーゼ著「ケアリング;看護婦・女性・倫理」第1章・第2章を もとにした討議
・看護婦は倫理について独自のアプローチをすべきか。伝統的な「医の倫理」とは異なる「看護の倫理」の独自のアプローチは存在するのか
・看護の倫理はどのような歴史的背景のもとに作られたか
・著者が提示する2人の看護師の倫理的判断は妥当か
・上記の論点をふまえ、現場の専門看護師が行いうる倫理的意思決定場面を批判的に吟味する。
第3回:ヘルガ・クーゼ著作の第3章をもとにした討議
・新しい医療技術が生み出す新たな倫理問題
・看護技術の高度化・専門化が生み出す新たな倫理問題
・専門看護師の倫理的な職責と役割
第4回:ヘルガ・クーゼ著作の第4章をもとにした討議
・「倫理」とは何か。
・専門看護師の倫理的な役割の範囲と可能性
第5回:ヘルガ・クーゼ著作の第5章をもとにした討議
・「ケアの看護倫理」の批判的吟味
・ケアの看護倫理は看護師の専門的な倫理調整にとって有効か
第6回:ヘルガ・クーゼ著作の第6章をもとにした討議
・伝統的な倫理原則(正義の倫理)と近代的な倫理原則(ケアの倫理)は看護師の行う倫理的アプローチに取り入れることができるか
第7回:ヘルガ・クーゼ著作の第7章をもとにした討議
・ケアリングにもとづく倫理の両義性と恣意性
・看護におけるケアの道徳は何か
第8回:ヘルガ・クーゼ著作の第8章をもとにした討議
・患者の権利や利益の保証に必要な条件とは
・患者の「利益」とは何か
・患者の「自律的な」意思決定とは何か
・終末期の患者の自律的な意思決定を専門看護師はどのように支援するか
第9回:ヘルガ・クーゼ著作の第9章をもとにした討議
・看護師が行う倫理調整について(まとめ)
・どのような倫理原則が専門家としての看護師の倫理調整に適切か
・倫理原則をどのように専門看護師の倫理調整に適用するか
第10~15回:学生が持ち寄った臨床事例について、倫理的課題の解決方法および専門看護師の倫理調整の可能性について議論する。
出席状況、課題への取り組み状況(プレゼンテーション内容)、議論への参加などで総合的に評価する。
授業でのプレゼンテーションの準備、ならびにディスカッションへの参加のため、授業参加にあたって事前に学習する必要がある。
入学時ガイダンスで詳細をお伝えします。