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現代哲学研究演習Ⅰ / Contemporary Philosophy(Advanced Seminar)I

前期 火曜日 5講時. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 直江 清隆. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LIH-PHI614J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

現代哲学研究演習Ⅰ

授業題目

現象学研究

Course Title (授業題目)

Seminar on Phenomenology

授業の目的と概要

フッサールの『受動的総合の分析』を読み、現象学的な知覚、総合、自我、時間などの議論を理解する.

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

The aim of this course is to read Husserl's "Analyses Concerning Passive and Active Synthesis' and help students to acquire an understanding of the fundamental discussions of perception, synthesis, ego and time.

学習の到達目標

・現象学の基本概念について説明をすることができる。
・現象学の議論における知覚、総合、自我、時間の役割について論じることができる

Learning Goals(学習の到達目標)

After taking this course, participants will be able to :
- Explain the essential concepts of phenomenology
- Discuss the role of perception, synthesis, ego and time in phenomenological arguments

授業内容・方法と進度予定

 私たちは、何かを知覚し、想起するといった経験をする。このとき、私が何かをするという主題的、能動的な働きをまず考えがちであるが、その土台として、自我の関与なしにおのずと生起する連合や触発といった働きが先行している。これはカント的な総合と区別して受動的綜合と呼ばれるが、フロイトの無意識とは違った意識のあり方である。『受動的総合の分析』では、自我からの能作の関与していない感性野の自発的組織化が明らかにされるが、そこでは感情契機のはたらきや意識が流れることの分析を通じて、自我、時間といったことが解き明かされていくことになる。
この授業では現象学について概括的な紹介をしたのち、本書の序論を読んで枠組を確認する。本書はもともと講義録であるが、精読を必要とする。授業では議論をていねいに読み解きながら、知覚、総合、自我、時間といった問題についてのフッサールの議論を検討する。原文はドイツ語であるが、すぐれた英訳や、訳註と解説がついた日本語訳も出ている。授業は、適当な部分ごとに担当者を決め、授業内でテキストを訳読し、議論するかたちで進めるが、同時にこれらの概念の問題性について議論する。

1、イントロダクション  現象学とは
2,「知覚における自己所与」読解(1)
3,「知覚における自己所与」読解(2)
4,「知覚における自己所与」読解(3)
5,「知覚における自己所与」読解(4)
6,中間まとめ1 パースペクティブについて
7,「受動的総合の原現象」読解(5)
8、「受動的総合の原現象」読解(6)
9、「受動的総合の原現象」読解(7)
10、「受動的総合の原現象」読解(8)
11、中間まとめ2 連合について
12、「受動的総合の原現象」読解(9)
13、「受動的総合の原現象」読解(10)
14、「受動的総合の原現象」読解(11)
15、 まとめ

成績評価方法

レポート50%
平常点50%(討論などを含む)

教科書および参考書

E. Husserl. "Analysen zur passiven Synthesis"(Husserliana XI), (Analyses Concerning Passive and Active Synthesis, trans. by A.J. Steinbock/『受動的総合の分析』山口一郎、田村京子訳、みすず書房)欧文、訳文テキストは授業時に配布する。
参考書は随時紹介するが、翻訳に付けられた訳註と解説はまず有力な参考になる。
山口 一郎『現象学ことはじめ』白桃書房
欧文の参考書は適宜院生に紹介してもらう。

授業時間外学習

担当でない場合でも予習する。テクストと深く関連する参考図書、関連図書などを利用して、自分なりに取り組んでみること。

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