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東洋・日本美術史特論Ⅴ / History of Oriental and Japanese Fine Arts(Advanced Lecture)V

後期 水曜日 3講時. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 杉本 欣久. セメスター: 2学期. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LIH-ART605J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

東洋・日本美術史特論Ⅴ

授業題目

日本近世美術史

Course Title (授業題目)

The Edo era Art History

授業の目的と概要

 美術史とは歴史研究における方法のひとつで、美術作品を資料として分析し、どのような時代背景のもと、どのような意識に基づき、なぜ制作されたのか、各時代の人間の営為や精神を見つめることを目的とする学問である。一見、入口としてハードルは低そうに見えるが、美術作品はいわば歴史の「上澄み」であり、その下を支える思想、哲学、宗教、文学などは多様で複雑である。
 本講は前期に引き続き、東アジアにおける文化の総決算ともいえる江戸時代に焦点を絞り、その広範な文化的背景を解きほぐしつつ、主要な美術作品の諸様相について概観していく。「絵画」のみではなく、諸工芸についても言及し、東アジアのなかの日本という観点から、中国大陸や朝鮮半島からの影響と日本の独自性についても考える。

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

This course provides an overview of Edo art work,based on historical and cultural background and explanations influence from China and Korean Peninsula and originality of Japan from the perspective of Japan in East Asia.

学習の到達目標

 歴史を学ぶ意義は、現代に生きる我々を客観的に見つめ、自らを律するための「鏡(鑑)」となり得るところにある。単なる知識の修得のみに終始するのではなく、それぞれの美術作品を通じて過去の人間精神を知り、現代生活をより多様で豊かに過ごすための糧となるようにしたい。また、既成の概念や先入観に頼るのではなく、自律性の高い美術鑑賞能力を養うことを目標とする。

Learning Goals(学習の到達目標)

This course covers Japanese art work to help students understand the Japanese human spirit of Edo era.

授業内容・方法と進度予定

Classroomを使用して講義資料と講義情報を発信します。
Classroomにアクセスし、クラスコードを入力してください。

講義だけではなく、視覚機器(プロジェクター)を使用して美術作品を鑑賞する。
1回目 ガイダンス ー美術史と鑑定
2回目 江戸と浮世絵1ー菱川師宣・西川祐信・鈴木春信ー
3回目 江戸と浮世絵2ー東洲斎写楽と喜多川歌麿ー
4回目 江戸と浮世絵3ー葛飾北斎と歌川広重ー
5回目 『芥子園画伝』と文人画の黎明
6回目 武士の絵画1ー鑑戒ー
7回目 武士の絵画2ー暢神ー
8回目 京都と円山派1ー円山応挙ー
9回目 京都と円山派2ー応挙の門人たちー
10回目 京都と四条派 ー蕪村、呉春とその門人 ー
11回目 天下の台所・大坂の絵画
12回目 江戸の絵画1ー18世紀の絵画状況(谷文晁の登場前夜)
13回目 江戸の絵画2ー谷文晁の登場と洋風画の隆盛
14回目 伊藤若冲 ーその真実を探る

Class Schedule and Activities(授業内容・方法と進度予定

This is a lecture-centered course.

成績評価方法

授業ごとに400字程度のレポートや課題を課し、その総合点によって評価する。このレポートは出席点も兼ねる。
1週間の提出期限を設けるが、内容についてクラスルームにて伝えるものとする。

Grading Plan(成績評価方法)

Essay 100%

教科書および参考書

【参考書】
◎基本図書
杉本欣久『鑑定学への招待』(中央公論美術出版)
杉本欣久『武士の絵画ー中国絵画の受容と文人精神の展開ー』(中央公論美術出版)

辻惟雄『カラー版 日本美術史』(美術出版社)
尾藤正英『日本文化の歴史』(岩波新書668)

◎美術全集
『原色日本の美術』(小学館 1970年代前半)
『日本美術絵画全集』大型版・普及版(集英社 1970年代前半)
『水墨美術大系』大型版・普及版(講談社 1970年代前半)
『日本美術全集』(学習研究社 1970年代後半)
『日本美術全集』(講談社 1990年代前半)
『世界美術大全集』東洋編(小学館 1990年代後半)
『日本美術全集』(小学館 2010年代)

授業時間外学習

 内容によっては実際の作品を授業に持参するが、日頃から博物館や美術館、神社仏閣へと足を運び、実物から何を得ることができるのか、自身の眼を通じて主体的に体感しておく必要がある。また、実生活のなかで何を観ていて何を観ていないか、あるいは何が見えていて何が見えていないか、自身の観点を客観化する訓練をしておくとよい。

その他

初回の授業は必ず出席すること。

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