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日本文学各論 / Japanese Literature (Special Lecture)

後期 火曜日 2講時. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 佐倉 由泰. セメスター: 6. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LHM-LIT301J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

日本文学各論

授業題目

『平家物語』の研究

Course Title (授業題目)

Study on “The Tale of Heike (平家物語 Heike Monogatari)”

授業の目的と概要

 平安時代末の内乱とそこに生きる人々の姿を多様な形質の表現によって描き出した作品、『平家物語』の記述を考察する。『平家物語』の表現を丁寧に読み解き、文学、文化、社会にかかわる多様な問題を見出す中で、『平家物語』の特質とともに、そこに現れる世界観、人間観、社会認識のあり方を明らかにして行く。毎回の授業の終わりに、授業内容について、考えたこと、関心を持ったことを書いてもらい(これを「小レポート」と呼ぶ)、その回答も交えて、できるだけ対話的に授業を進めて行こうと思っている。

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

In this lecture, you will understand the characteristics of the description of “the Tale of Heike (平家物語 Heike Monogatari)”. And you will consider various significant problems of concerning literature and culture through reading the original of this classical tale.

学習の到達目標

(1)表現の細部を丁寧に捉えて、時代相、世相や筆者の世界観、人間観、社会認識を幅広く深く理解できるような読解力、洞察力を身につける。
(2)文学、文化、社会を思考する上での問題発見力と専門的知識を高める。

Learning Goals(学習の到達目標)

The purpose of this course is to help students acquire knowledge and ability necessary to think about literature, culture and society creatively.

授業内容・方法と進度予定

 授業は次の順に進める
1 登場人物の形象の変移 ― 源義仲に着目して ―
2 登場人物の形象の変移 ― 平家の人々に着目して ―
3 歴史叙述と祝祭性 ― 法住寺合戦をめぐって ―
4 戦いの表現が指向するもの ― 巻第九「木曽の最期」より ―
5 表現の多様な可能性 ― 巻第九「宇治川の先陣」より ―
6 戦いの表現が指向するもの ― 一の谷合戦をめぐって ―
7 心の動きを語る物語 ― 平維盛に着目して ―
8 心の動きを語る物語 ― 平重衡に着目して ―
9 速さの表象とその意味 ― 屋島合戦における源義経 ―
10 場面を演出するしくみ ― 巻第十一「那須与一」より ―
11 事件を美化するしくみ ― 平知盛に着目して ―
12 事件を美化するしくみ ― 平宗盛に着目して ―
13 .結尾部の記述が指向するもの ― 建礼門院徳子に着目して ―
14 表現の運動性がもたらすもの ― 源行家に着目して ―
15 まとめ

成績評価方法

学期末に提出してもらうレポート〔60%〕・小レポート〔40%〕

教科書および参考書

 教科書は使用せず、プリントを使って授業を進める。参考書は、授業の中で随時紹介する。

授業時間外学習

 授業を通して関心を持った問題について、作品の本文や参考文献を進んで幅広く読んで、考察を深めて行くことが重要である。

その他

 本講義(『平家物語』の研究)は、第5セメスターから連続して履修すること。

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