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倫理思想概論 / Western Ethical Thought (General Lecture)

後期 火曜日 2講時. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 文学研究科教官. セメスター: 4. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LHM-PHI207J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

倫理思想概論

授業題目

ケーススタディで学ぶ倫理学

Course Title (授業題目)

Ethics case studies

授業の目的と概要

 倫理学は「善い人」になるための学問ではありません。人間の行為はどのように正当化されるのかを学び、道徳の多様性を学ぶことが倫理学の目的です。本講義では、現代の人々の倫理観の多様性に触れ、基礎的な倫理思想の理論とその背景を学びます。
 世界中に多種多様な倫理思想がありますが、本講義は西洋で多用される理論を中心に紹介します。残念ながら全てを網羅することは難しく、アジア、アフリカ、中東、南米等の倫理観には言及できませんが、倫理思想を研究する足がかりの第一歩として、西洋倫理思想を学んでいきます。
 本講義はケーススタディを行います。私はセンシティブなテーマも扱うので、受講する前に必ず内容を確認して、慎重に判断してください。

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

 Ethics is not the study of being a 'good person'. The purpose of ethics is to study how human actions are justified and to study the diversity of morality. In this lecture, you will be exposed to the diversity of ethics among people today and learn about the theory and background of basic ethical ideas.
 Although there is a wide variety of ethical thought around the world, this lecture will focus on theories frequently used in the West. Unfortunately, it is difficult to cover all of them, and we cannot mention ethics from Asia, Africa, the Middle East, South America, etc. However, we will study Western ethical thought as a first step towards a study of ethic.
 This lecture will involve case studies. I will also cover sensitive topics, so please be sure to check the content and make a careful decision before taking the course.

学習の到達目標

(1) 現代の倫理的課題を発見することができるようになること。
(2) 倫理思想の基礎知識を身につけること。
(3) 倫理問題に対して、各倫理思想に基づいた合理的判断を示すことができること。

Learning Goals(学習の到達目標)

(1) To be able to identify contemporary ethical issues.
(2) To acquire a basic knowledge of ethics.
(3) Be able to demonstrate rational decisions on ethical issues based on the respective ethical ideas.

授業内容・方法と進度予定

第一回: 倫理学とはなにか (授業ガイダンス)
第二回:「兵役を拒否する権利はあるのか?」(権利論)
第三回:「貧しい女性がお金を稼ぐために代理母の仕事をすることを禁止すべきか」(法と道徳)
第四回:質問への回答・ディスカッション・ミニレポート・映像教材視聴
第五回:「抗議活動の見せしめに警官が活動家を殺して秩序を保つことは正しいか?」(功利主義)
第六回:「人を殺した友達をかくまうために嘘をついてもよいか?」(義務論)
第七回:「明らかに間違っている患者の要望を、医者は受け入れるべきか?」(徳倫理学)
第八回:質問への回答・ディスカッション・ミニレポート・映像教材視聴
第九回:「貧しい家庭で育った子どもに奨学金を出すべきか?」(リベラル平等論)
第十回:「警察を民営化し、警備会社と契約すべきか?」(リバタリアニズム)
第十一回:質問への回答・ディスカッション・ミニレポート・映像教材視聴
第一二回:「地方に生まれた者は地元に残るべきか?」(コミュニタリアニズム)
第十三回:「市民による議論でものごとを決めることは良いことか?」(共和主義)
第十四回:質問への回答、ならびに試験についての説明
第十五回:全体のまとめ

毎時間、コメントシートを書いてもらいます。人数に応じて小グループで議論する機会を持つことがあります。積極的な授業参加を評価します。
みなさんから寄せられた質問に回答する回を定期的に設けます。
授業の理解度に合わせて進むスピードを調整します。
柔軟に授業の計画を変更しますので、あくまでも以上は授業の予定です。

成績評価方法

出席・コメントシート等の平常点 30%
学期末試験 70%

教科書および参考書

教科書
教科書はありません。必要に応じて資料を配布します。
参考書
赤林朗・児玉聡編『入門・倫理学』勁草書房、2018年。

授業時間外学習

授業の予習復習をして、参考書に目を通してください。

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