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日本文学概論 / Japanese Literature (General Lecture)

前期 金曜日 3講時. 単位数: 2. 担当教員/Instructor: 横溝 博. セメスター: 3. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: LHM-LIT201J. 使用言語: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

日本文学概論

授業題目

王朝物語文学の世界

Course Title (授業題目)

World of Ōchō Monogatari: tales of the Heian and Kamakura periods

授業の目的と概要

日本の物語文学はいつ発生し、いつ終息したのか──。本講義では『源氏物語』に代表される王朝物語文学の成立と展開の様相を、物語文学を取り巻く様々な文芸ジャンルとの相関のもとに、種々の作品テクストを取り上げつつ探っていく。王朝物語の時代は平安から室町と長きにわたるが、とりわけ王朝物語という文芸ジャンルが物語作者の存在意義とも絡んで取り沙汰されるようになる院政期から鎌倉中期を中心に、散逸した物語の資料をも重要な手がかりとしながら、物語文学というコンテンツの消長を探っていく。

Course Objectives and Course Synopsis(授業の目的と概要)

When did Japanese narrative literature emerge and when did it end? This lecture will explore the development of the Ōchō Monogatari (tales from the Heian and Kamakura periods), such as the Tale of Genji, by examining various texts of the works, in relation to various literary genres surrounding narrative literature. The era of the dynasty tales extends from Heian to Muromachi. This lecture also explore the fate of narrative literature, using lost stories as clues.

学習の到達目標

(1) 日本の物語文学について、作品もしくはその断片、関連資料の分析を通して、その特質と史的展開に関する理解を深める。
(2) 古典作品を読解・鑑賞するに際しての基本的な知識を習得することで、王朝物語の文化史的意義について把握できるようになる。

Learning Goals(学習の到達目標)

(1) To deepen the understanding of the characteristics and historical development of Japanese literature through the analysis of works or fragments thereof and related materials.
(2) By acquiring the basic knowledge for reading and appreciating classical literature, students will be able to understand the cultural historical significance of dynasty stories.

授業内容・方法と進度予定

以下は本講義で扱うトピックスを列挙したものであり、実際の授業の順序もしくは進度とは異なる。

01 王朝物語史(現存物語、散逸物語)
02 前期物語(竹取物語、うつほ物語、落窪物語、住吉物語)
03 源氏物語(補作を含む)
04 後期物語(狭衣物語、夜の寝覚、浜松中納言物語)
05 院政期物語(海人の刈藻、とりかへばや、有明の別れ)
06 歴史物語(大鏡、栄花物語)
07 物語評論(無名草子、今鏡)
08 物語歌合(物語二百番歌合)
09 物語歌集(風葉和歌集)
10 中世王朝物語(鎌倉時代)
11 中世王朝物語(南北朝時代)
12 中世王朝物語(室町時代)
13 和歌と物語、歴史と物語、物語と絵画
14 物語の作者と読者(六条斎院物語歌合)
15 王朝物語の終焉(室町時代物語、お伽草子)

成績評価方法

学期末に提出するレポート〔50%〕とミニッツペーパー〔50%〕をもって評価する。なお、ミニッツペーパーは毎時間記載して提出するものである。

教科書および参考書

基本的にはプリントを使って授業を進める。参考書は授業の中で随時紹介する。なお、一度配布した資料は繰り返し使用するので、毎時間用意すること。樋口芳麻呂編『王朝物語秀歌撰(上) 物語二百番歌合・風葉和歌集上』(岩波文庫、1987)、同『王朝物語秀歌撰(下) 風葉和歌集下・源氏物語歌合』(岩波文庫、1989)は本講義のバイブル(但し購入を必須とするものではない)。

授業時間外学習

作品を通読するのは困難としても、王朝物語史に関しては様々な学術書が存在するので、授業で紹介したものも含めて、可能な限り手に取り、概要の把握に努めること。

その他

本講義は第4セメスターも連続して履修することが望ましい。

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