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まちづくり・地域づくり政策演習

後期 水曜日 4講時. 単位数: 2. 担当教員: 御手洗 潤. 科目区分: 学部演習. 授業形態: 演習. 対象学年: 2,3,4年次対象. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング: -J. 使用言語: 日本語.

実務・実践的授業※○は、実務・実践的授業であることを示す。

週間授業回数

1回毎週

配当学年

3,4年

実施方法(対面・リアルタイム・オンデマンド・ハイブリッド等)

対面

連絡方法とクラスコード

クラスコード: yiktcw6

担当教員連絡先:jun.mitarai.b8[a]tohoku.ac.jp
  ※[a]を@に変換してください。

初回授業日等

10月2日(水)

授業の目的と概要

 日本の都市ないし地域は、人口減少時代を迎え、経済の停滞や活力の低下、都市機能の低下、地域コミュニティの衰退、景観や公共サービスの維持の困難さ等様々な課題を抱えている。さらに、東日本大震災の被災地、特に一斉避難を経験した福島原子力災害被災地においては、少しずつ住民の帰還が進んではいるが、人口減少をはじめとする前述のような課題が急激に起こったともいえ、その復興にも様々な課題がある。また、財政状況のひっ迫、社会の複雑化、課題の多様化等の理由から公共主体のみでの問題解決が難しくなっている。このため、住民や事業者、まちづくり会社、NPO 等の民間主体への期待が高まってきており、例えばこれらの主体がエリアマネジメントという新たな手法で従来型の公共サービスを超えた官民中間領域のまちづくりを担う機会が増加している。
本講義では、政策立案の最前線やまちづくり・地域づくりの現場で実際に行われている政策・施策のうつ代表的なものを7分野とりあげ、実務家教員である担当教員又は現場で政策・施策の立案・実施に当たっている外部講師等からの講義により具体的に学ぶとともに、学生がその分野の課題や解決の方向性を自ら考え、学生同士及び担当教員・外部講師等とディスカッションを行う。本講義は、これらを通じて、まちづくり・地域づくりの政策の企画・立案や施策の実施過程を理解するとともに、政策の企画・立案能力及びそのプレゼンテーション能力の養成を目的とする。

This course is a seminar course teaching on city and town management policy. This course provide student with opportunities understanding the proses of policy making and aiming to promote capability of policy making and coordination. Students are required making some presentations and discussion concerning about the field of previous lecture by teachers.

授業内容・方法と進度予定

第1回 イントロダクション・まちづくりとは(担当教員による講義)
第2回~第15回
以下のテーマについて、外部講師からの講義の回(講義回)1回と、学生による発表の回(討議回)1回を、各1回行う(計2回×7セット)。
• コンパクトシティの形成<講義回は担当教員が担当>
• 観光と交通のまちづくり<講義回は外部講師(東北運輸局)が担当>
• 景観まちづくり<講義回は担当教員又は外部講師が担当>
• 浪江の復興<講義回は外部講師(浪江町役場)が担当)
•ユニバーサルデザインのまちづくり<講義回は担当教員及び外部講師(仙台バリアフリーツアーセンター)が担当>
• エリアマネジメント<講義回は担当教員及び外部講師(青葉通まちづくり協議会)が担当>
• 仙台市のまちづくり<講義回は外部講師(仙台市役所)が担当>
上記はいずれも仮題であり、変更があり得る。具体的日程は初回授業時に提示する。
討議回では、一回当たり受講生数名が、講義回で学んだ分野のうちから自らの興味・関心のある分野を掘り下げ、課題分析やその解決の方向性について発表し、受講する学生及び担当教員・ゲストとともにディスカッションを行う。ゲストは、各回のテーマに応じ、まちづくりの第一線で政策立案や実践を担っている官民の実務家を想定している。討議回におけるディスカッション及び発表は、受講生の人数によって、クラス全体で又はグループで行う。

学習の到達目標

 まちづくり・地域づくりの現場に生じている課題とそれに対して行われている政策をしっかりと理解できるようになること、及びそのような課題及び政策を踏まえ、自らの興味・関心のある分野を掘り下げ、課題分析やその解決の方向性についてまとめ、発表し、他者に理解してもらったうえで、他者と意見交換しながら自分の考えを発展させていく力をつけることが目標である。

成績評価方法

 討議回修了後に当該討議回の発表を担当した学生にレポートを課す。成績評価は、当該討議回修了後レポート、討議回の発表内容及び発表資料、出席、授業終了後のリアクションペーパーの提出状況及びディスカッション等演習への参加の積極性・内容により評価する。なお、最終レポートは課さない。授業の性質上、自分が担当する回の討議回への出席は必須とする。それ以外の授業についても、出席回数が一定数を下回る場合には単位は付与しない。

教科書および参考書

 教科書は使用せず、毎回事前にGoogle Classroomで資料を配布するので、授業の際は各自それを参照のこと。また、討議回においては、学生の作成する発表資料もGoogle Classroom上で共有してもらうことになる。

なお、参考文献は以下の通り。
日本都市計画学会関西支部新しい都市計画教程研究会,『都市・まちづくり学入門』,学芸出版社,2011
蓑原敬 編著『都市計画根底から見なおし新たな挑戦へ』,学芸出版社,2011
奥野信宏,栗田卓也『都市に生きる新しい公共』,岩波書店,2012
小林重敬『最新 エリアマネジメント』,学芸出版社,2015
小林重敬,森記念財団 編著『まちの価値を高めるエリアマネジメント』,学芸出版社,2018
保井美樹,泉山塁威他『エリアマネジメント・ケースメソッド: 官民連携による地域経営の教科書』学芸出
版社, 2021
日本建築学会編『景観法と景観まちづくり』学芸出版社, 2005
日本建築学会編『生きた景観マネジメント』鹿島出版会,2021
OECD『コンパクトシティ政策:世界 5 都市のケーススタディと国別比較:OECD グリーン成長スタディ』OECD PUBLISHING.2013
川﨑興太『福島復興の到達点』東信堂,2022
川﨑興太他 編著『福島復興の視点・論点――原子力災害における政策と人々の暮らし』明石書店,2024
福島県浪江町『浪江町震災・復興記録誌 1011.3.11-2121.3.11』福島県浪江町,2021
平田竹男、河合純一、荒井秀樹『パラリンピックを学ぶ』早稲田大学出版会,2016
髙橋 儀平『福祉のまちづくり その思想と展開』彰国社,2019
仙台市『仙台の都市計画 2019』
http://www.city.sendai.jp/toshi-kekakuchose/kurashi/machi/kaihatsu/toshikekaku/toshikekaku.html

授業時間外学習

 討議回の発表資料の準備及び発表後のレポート作成は、授業時間外に行うことが必要になる。なお、15回の講義を通じて学生は数回発表を行うことになる。

その他

 討議回では、一回当たり複数の受講生が発表を求められる。また、学生の発表後、担当講師・外部講師
及び受講生全員によるディスカッションを行うので積極的な参加が求められる。
初回はガイダンスを行うので必ず出席のこと。どうしても出席できない場合は、初回より前に予め担当教員にメールで連絡のこと。なお、受講生が特に多くなった場合には、演習型の授業という性質上、円滑な議論を行うため、やむを得ず選考を行うこともありうる。
片平キャンパスにおいて公共政策大学院と法学部との合同で対面で授業を行う。授業への参加を検討している者は、初回授業前に必ず Google Classroom に参加のこと。共同授業のため、法学部のクラスルームではなく、公共政策大学院の『実務政策学 C まちづくり・地域づくり政策演習』のクラスルームに参加のこと。
クラスコード:yiktcw6

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