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ミクロ経済学

後期 水曜日 3講時. 単位数/Credit(s): 2. 対象学年/Eligible Participants: 全学年. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: EAC-ECO501J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.

科目名/Subject

Micro Economics

担当教員

学務テスト 教員1

授業の目的と概要/Object and summary of class

個々の消費者や生産者の行動を基礎とする「ミクロ経済学」について基礎理論と応用を学びます。現実の経済で起きているさまざまな経済事象を論理的に考え、理解できる力を身につけることを目的とします。前半は、消費者の行動と生産者の行動などのミクロ経済学の基礎理論について、後半は、基礎理論を応用して現実問題の分析や最適な政策とはどうあるべきかについて説明します。
In this course, we study the foundational theories and applications of "microeconomics," which are based on the behaviors of individual consumers and producers. The goal is to develop the ability to logically analyze and understand various economic phenomena occurring in the real economy. The first half covers the basic theories of microeconomics, such as consumer behavior and producer behavior. The second half explains the application of these foundational theories to address real-world problems and discuss the optimal policies to deal with them.

学習の到達目標/Goal of study

ミクロ経済学に関する基礎知識を習得し、ニュース等で取り上げられるミクロ経済学に関連する現実問題の分析や実際の政策の良し悪しについて評価できるようになること。

授業内容・方法と進度予定/Contents and progress schedule of the class

第1回 需要曲線と供給曲線/ Demand curve and supply curve
 市場取引を説明するうえで重要な役割を果たす需要曲線と供給曲線について説明する。
第2回 競争的市場/ Competitive market
 市場の需要曲線と供給曲線を使って、競争的市場で価格や生産量(消費量)がどのように決定されるかについて説明する。
第3回 需要曲線と消費者の利益/ Demand curve and consumers' surplus
 消費から得られる消費者の効用と需要曲線がどのような関係にあるのか及び経済活動がもたらす消費者の利益について説明する。
第4回 供給曲線と生産者の利益/ Supply curve and producers' surplus
 生産者の財・サービスの生産費用と供給曲線がどのような関係にあるのか及び生産行動から生じる企業の利益について説明する。
第5回 市場均衡と社会の利益の導出/ Market equilibrium and social surplus
 市場均衡において、社会的総余剰がどのように得られるのか、競争的な市場は社会的総余剰を最大にするのかについて説明する。
第6回 最低賃金法は望ましいか?/ Are minimum wage laws desirable?
 第1~5回で学んだ理論を応用して、最低賃金法を例にとり、最低賃金法が社会的に望ましいかどうかについて解説する。
第7回 市場の失敗/ Market failure
 生産活動に伴って外部不経済効果が生じる場合、自由な市場取引は社会全体の利益は最大とならないことついて解説する。
第8回 外部費用と最適な環境政策/ External costs and optimal environmental policy
 環境問題を例にとり、社会的総余剰を最大にするためにどのような環境政策を実施すればよいかについて説明する。
第9回 規制か環境税か?〜政府の失敗/ Choice of policy instruments: regulation or environmental tax?
 政府の失敗の可能性がある場合、生産量規制と環境税のどちらが望ましい政策手段であるか解説する。
第10回 不確実性と政策手段の選択/ Uncertainty and the choice of policy instruments
 政府が企業行動について完全な情報を得ることができない場合、どのような政策手段を選択するのが望ましいかについて説明する。
第11回 交通混雑/ Trafic congestion
 交通混雑問題を例にとり、社会的総余剰を最大にするためにどのような政策を実施すればよいかについて説明する。
第12回 独占/ Monopoly
 生産者が価格支配力を持っている場合に、どのような問題を引き起こすかについて解説する。
第13回 公共財の最適供給/ Optimal public goods provision
 地方政府が供給する地方公共財が適切に供給されるための条件について説明する。
第14回 企業誘致と租税競争/ Attacting firms and tax competition
 市民の効用最大化を目的として政策決定する地方政府でも、場合によっては失敗する(最大にならない)ことを説明する。
第15回 理解度確認セッション/ Examination
 学習内容全体を確認するための試験を行う。

成績評価方法/Evaluation method

講義中の数回実施する小テスト(30%)および理解度確認セッション(70%)で評価する。

教科書および参考書/Textbook and references

  • 授業中に配布する講義ノートおよびスライド,
  • 入門環境経済学 新版-脱炭素時代の課題と最適解(第一部), 日引聡・有村俊秀, 中央公論新社 (2023) ISBN/ISSN: ISBN9784121027511 資料種別:参考書
  • ミクロ経済学の力, 神取道宏, 日本評論社 (2014) ISBN/ISSN: ISBN10: 453555756X 資料種別:参考書

授業時間外学習/Preparation and Review

予習:講義ノートの指定箇所を事前に読んでおくこと。
復習:小テストについて再度取組み、理解を深めておく。

その他/In addition

この講義を受講するために必要となる知識:
授業では、高校程度の数学(面積の公式、一次方程式、グラフ、関数の最大値、簡単な微分など)を用いる。数学は、物事を論理的に整理し、考えるための道具として使うだけなので、数学に対して、極度のアレルギーがない限り、数学自体が理解の妨げになることはないであろう。(授業では、同じことを繰り返して、説明するので、数学が錆びついていたとしても、やる気があれば、問題はない。)この授業は、暗記力よりは、むしろ論理力的に物事を整理し、考える能力が必要とされる。

各回の授業方法の詳細、オフィスアワー、Classroom のコードなどの補足情報は、下記シラバス補遺で掲載する(要 東北大 ID)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/10RZeernrdwaToua7siY_H8kzQUFkRrFwPEqds5jtOdk

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