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展開ロシア語Ⅰ

前期 木曜日 2講時 川北キャンパスA203. 単位数/Credit(s): 2. 担当教員(所属)/Instructor (Position): 柳田 賢二 所属:東北アジア研究センター. 対象学部/Object: 文系. 開講期/Term: 3セメスター. 科目群/Categories: 全学教育科目言語科目-ロシア語. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: ZLF-RUS201J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

各学部の履修内規または学生便覧を参照。

授業題目/Class Subject

中級ロシア語Ⅰ
Intermediate Course of Russian Grammar for Japanese-speaking Students I

授業の目的と概要/Object and Summary of Class

初級文法の残りを学びつつ、語形変化に注意しつつ文法的意味を確認しながら正確にロシア語の文章を読む訓練をする。

【インターネットおよびスマホに関する注意事項(重要!)】
(1)インターネット上で無償で閲覧できるサイトのロシア語の語彙、音韻、文法に関係する情報には誤ったものが数多くあるが、当然のこととして初級・中級の学習者にはその正否の判別ができない。したがって、本学でのロシア語学習においてはロシア語の単語や文法事項をインターネット上で調べることを禁じる。
(2)特に無償の「オンライン辞書」、「辞書アプリ」、「翻訳アプリ」の類は誤りが極めて多い。しかも単語の語形変化やそれに伴うアクセント移動といったロシア語学習において絶対必要な情報が示されていないので、本学におけるロシア語の授業との関連においてこれらを用いることは絶対にしてはならない。必ず露和辞典を購入し、それを使って調べること。インターネット以外の有償の「電子辞書」の使用は禁じないが、「紙の辞書」の方が文法説明が詳しいので後者を薦める。
(3)以上の理由により、教室での授業中にスマホを扱うことを厳禁する。また、他の授業での必要上タブレットPCやノートPCを教室に持ち込んでいる場合であっても、ロシア語の授業中にインターネットに接続してはならない。

 この科目におけるロシア文法の説明は、全て日本語で行う。以上の日本語文が理解できない者は履修を認めない。
This course provides all explanations of Russian grammar in Japanese. Students who are unable to comprehend this Japanese paragraph are ineligible to enroll in this course.

学修の到達目標/Goal of Study

・ロシア語規則動詞の過去形、未来形のほか現在変化のうち出現頻度が極めて高く重要な現象である「歯音変化」と「唇音変化」を含むものを学ぶ。また出現頻度の高い特殊変化動詞および不規則変化動詞を学ぶ。「~がない/いない」の意味の無人称文と、そこに現れる「否定生格」の用法を学ぶ。さらに、「行く/来る」の意味の動詞の代用表現としてのбытьの過去形および未来形の用法を学ぶ。次に、動詞の命令法の作り方を正確に把握する。これらと並行して形容詞の短語尾変化に加え長語尾格変化の意義とその変化パターンを学び、正確に把握する。

授業内容・方法と進度予定/Contents and Progress Schedule of the Class

※授業は全て対面で行う。予期せざる特段の事情が発生しない限り、オンライン授業は行わない。
※板書は必ず紙のノートに筆写すること。板書した事項は、全て試験範囲に含まれる。
※授業支援システムとして、Google Classroomを用いる。音声資料等の配布にしばしば用いるので、自宅でもすぐにアクセスできるようにしておくこと。ダウンロードするよう指示されたファイルは必ずすぐにダウンロードし、パソコン内に保存しておくこと。
※担当教員からのメールには必ずすぐに目を通すこと。学期中であるにもかかわらず「この間ずっとメールを開かなかった」などと言う学生が時折見られるが、大学において、そのような態度は許されない。また、返信するよう指示があった場合には必ず遅滞なく返信すること。

※「展開ロシア語I、展開ロシア語II」を通じての注意事項
 今年度の「展開ロシア語I, 展開ロシア語II」は、昨年度の「基礎ロシア語」で扱う予定だった文法事項のうち、コロナウイルス禍により積み残しとなってしまった事項を学んだ後、下記の順番で学んでいく。このため、学ぶ時期は下記に掲げる平常年の例よりも遅くならざるを得ない。ロシア文法は「積み上げ」として学ばねば理解が不可能であり、粗雑な説明を行ったり、あるいはいい加減な理解を放置した場合には、次の段階で完全な行き詰まりに直面するからである。なるべく早く平常年の進度に追いつくために、学生各自が辞書を丁寧に引いて入念な予習をし、予習段階でも音声教材を使って何度も発音練習を繰り返した上で授業に出席するよう強く要望する。

 文法事項に関する必要な説明はその都度行うが、受講者による一文ごとの和訳を吟味し、文中の文法的関係を正しく把握しているかどうかをチェックする作業が中心となる。主な新出文法事項は次の通りである。但し、常に学生の理解度を見ながら授業を進めるので、履修者の人数と構成によっては進度がこれより遅くなることも早くなることもあり得る。
注)以下の「第X回」はセメスターを通しての回数を示す。

第1回~第5回 教科書(佐藤純一著『ロシア語初級クラス』)第8課の新出文法事項(「基礎ロシア語II」の続き)
・動詞の過去時制(続き)
・動詞の未来時制
・形容詞の短語尾変化
・男性名詞の第2前置格
・-ия, -ий, -иеに終わる名詞の単数前置格(復習)
・形容詞長語尾の格変化
(注:ここでは教科書p.75にあるновыйの単複の格変化を学ぶよう指示するが、それに際し、硬変化новыйとголубойの違いがアクセントの位置の違いによる僅かの違いに過ぎないことおよび硬変化новыйと軟変化синийのスペル上の対応およびp.76にある「混合変化」3種が生じる理由について説明する。)
第5回~第8回 教科書第8課の本文および会話文の訳読と練習問題
・なお、ここの会話文を用いてбытьの過去形および未来形が「行く/来る」の動詞の代用として用いられ得ることおよびその場合でも行き先は「в/на+前置格」で表し、гдеで尋ねることを学ぶ。

第8回~第12回 教科書第9課の発音練習および新出文法事項
・名詞の単数生格の形式と用法
・男性名詞単数対格は単数生格または主格と等しく、文脈により区別するほかないこと
・人称代名詞の変化(教科書p.74)の復習
・「У +生格 (есть) ~」を用いた所有の表現
・存在の否定を表す無人称文(「~が ない/いない」)に現れる否定生格
・бытьの過去形または未来形が「行く/来る」の意味の動詞の代用として用いられている場合には否定文でも主語が現れ、否定生格が用いられないこと
第12回~第14回 教科書第9課の本文および会話文の訳読と練習問題

第14回~第15回 教科書第10課の新出文法事項
(注:この課は初出の動詞変化形式が多く初学者にとって発音練習がしにくいので、時間に余裕のある場合を除き本文の発音練習は文法説明の後にする。)
・動詞の歯音変化と唇音変化
・動詞の命令法

第16回
・文法説明の補足および試験

成績評価方法/Evaluation Method

筆記試験によるが、合格・不合格の判定に際しては、平常点も考慮に入れる。

○筆記試験について
筆記試験の点数は、中間試験を行った授業においては、「中間試験と期末試験の平均点」と、「期末試験の点数」のうち高い方の点数とする。中間試験を行わなかった授業においては、「期末試験の点数」をそのまま当該授業の筆記試験の点数とする。満点は100点である。

○平常点について
1)平常点はプラス10点からマイナス30点までの範囲で付ける。
2)出席率を点数化してプラスの平常点とし、筆記試験の成績が不振であった場合の救済に用いることはしない。本学で教える初修外国語科目としてのロシア語の内容は授業に出席せずに理解できるようなものではなく、授業は皆出席が当然である。
3)以上のことから、平常をプラス点として筆記試験の点数に加算するのは最大でも10点である。また、これを行うのは、筆記試験の点数が60点未満であった場合に限る。
4)平常点の基準
ほぼ全回の授業に出席し、課された宿題を全て提出した者は平常点としてプラス10点を与える。(但し、感染症や忌引などのやむを得ない理由による場合は、その旨申し出れば、欠席しても不利益扱いしない。)宿題を提出しなかった者は、たとえ皆出席でも平常点をプラスマイナス0点とする。
 宿題を提出するしないにかかわらず、次に例示するような行為をした者の平常点は、マイナス1点からマイナス30点の間で付ける。このような行為をする者がいると授業の進度が遅くなり、担当教員はもとより当該授業の履修学生全員に迷惑を及ぼすことを認識し、絶対に行わないこと。
例:
・授業中に指名されても返事をしない。
・出席を取る時には出席しているが、指名された時にはいなくなっている。
・「文字と発音」の学習は終えているにもかかわらず、ロシア文字が読めない。
・次回授業で学ぶことが確実なページに書かれているロシア語の単語を辞書で調べてくるという最低限の予習を行わず、注意されてもその態度を改めない。
・「次回は練習問題をするので必ず予習してくること」と明言されたにもかかわらず、全く予習せずに授業に出席する。
・授業中にスマホなどで無関係のことをしており、指名されても、何を尋ねられているのかすら分からない。
・2年生以上の学生であって「展開ロシア語」を履修しているにもかかわらず、1年次前期の「基礎ロシア語I」における最重要文法事項として学んだ規則変化(第1変化)のчитать「読む」という動詞自体や、それを用いた動詞の現在変化のさせ方などの、ロシア語の最も基本的な文法事項を忘れている。

注意)“AA”評価について
 90点以上ならば“AA”評価が当然だと考えている学生が時折見られるが、これは誤りである。そもそも“AA”評価は「成績が特に優秀である者」に対してのみ与えてよい評価である。また、初修外国語科目においては、語種を問わず、GPAが「2.5±0.3」の範囲に収まるように評価を付けることとされている。“AA”評価を得ることができるのは、むしろ例外的な場合であるということを認識すること。

教科書および参考書/Textbook and References

  • ロシア語初級クラス(第2版), 佐藤純一, 白水社 ISBN/ISSN: 4560016232
  • 入門ロシア語文法(改訂版), 和久利誓一, 白水社 ISBN/ISSN: 4560016054

関連URL/URL

東北大学言語・文化教育センター ロシア語セクション
http://www.ccle.ihe.tohoku.ac.jp/section/russian/

授業時間外学修/Preparation and Review

・予習が必要不可欠である。
・毎回の新出単語について辞書を引き、意味だけでなく格支配(つまり、「どの格と結合するか」)や不規則な変化形を調べるという最低限の予習をしてあることを前提として授業を行うので、絶対にこれを怠ってはならない。授業中に「単語を調べてありません」と答えることは認めない。これを繰り返す場合には減点することもあるので特に注意すること。
・この授業は1年間以上ロシア語を学んだ者を対象とするのであるから、ロシア文字の発音に関する質問において「読めません」と答えることは認めず、大幅減点の対象とする。絶対にそのような答をすることのないよう、音声面での予習・復習も怠らないこと。
・単語を覚えずに文法だけを学んでもロシア語を学んだことにはならない。各自で単語帳を作成して単語を覚えるよう努力すること。
・本文や会話文については、各文についてどういう意味なのかを推測しておくこと。
・練習問題については、必ず各自の答をノートに書いた上で授業に臨むこと。
・授業内容の理解に困難が生じないよう、毎回の授業の前には必ず前回のノートを見返しておくこと。また、各課が終わった時点でノートを見返し、その課で学んだ知識を整理すること。
・本講の履修者にはロシア文学の名作の日本語訳を読むことを強く勧める。例えばトルストイの『復活』、ドストエフスキーの『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』などの長編は、理由もなく「難解で退屈そうだ」と思われているが、決して退屈するような小説ではなく、極めて現代的なテーマを扱っているので特に薦められる。これらに加え、二葉亭四迷を通じて我が国の言文一致運動に強い影響を与えたツルゲーネフの作品や、我が国でも常に上演され続けられているチェーホフの戯曲と短編、ロシア人が最も尊敬するプーシキンの作品など推薦すべき作品はここに列挙できないほど数多く存在する。

授業へのパソコン持ち込み【必要/不要】/Students must bring their own computers to class[Yes / No]

・対面式授業では、パソコンの持ち込みは不要である。
・本講では板書を多く用いるが、板書は全て紙のノートに筆写すること。パソコンのアプリで筆写することは不可能なので、授業中にパソコンを開くことを禁じる。また、スマホを扱うことも厳禁する。

その他/In Addition

・課外活動は、試験を受けられない理由としては認めない。
・正当な理由なくして試験を受けなかった者には単位を認定しない。忌引、急病など真にやむを得ない事情があって試験を欠席した場合であっても、必ず試験日当日中に担当教員にメールで連絡してその旨申し出ること。
・この授業は複数学部に向けて開講されたクラスであって、教員側で一定の時間帯を面談可能時間に設定することは一部の学生にとってはかえって便宜に反することにもなり得るので、設定しないことにする。したがって、個人での質問や学習についての相談は随時、担当教員と学生の双方の都合が合う時間に受け付ける。しかし、担当教員の他の授業や会議、大学院学生の個人指導などの時間と重なって学生自身が無駄足にならないためにも、授業の直後に申し出るか、もしくは、事前にEメールで面会の予約を取ってから研究室に来てくれることが望ましい。

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