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法・政治と社会

前期 火曜日 2講時 川北キャンパスB204. 単位数/Credit(s): 2. 担当教員(所属)/Instructor (Position): 原田 勝孝 所属:情報科学研究科. 対象学部/Object: 全. 開講期/Term: 3セメスター. 科目群/Categories: 全学教育科目基盤科目-社会科学. 履修年度: 2024. 科目ナンバリング/Course Numbering: ZFS-LPS101J. 使用言語/Language Used in Course: 日本語.

主要授業科目/Essential Subjects

各学部の履修内規または学生便覧を参照。

授業題目/Class Subject

歴史的な出来事がその後の社会にもたらす影響

授業の目的と概要/Object and Summary of Class

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神で、ウェーバーが、欧米における資本主義の隆盛の起源をプロテスタンティズムに求めたことをご存じの方も多いと思います。社会科学の分業化と科学的な仮説検証の普及によって、この研究のような(必ずしも科学的に厳密な検証を伴わない)ビッグセオリーは、主流の研究ではなくなりました。しかし、最近、歴史政治経済学と呼ばれる分野で、これまで計量分析で扱うことのできなかった画像やテキスト等の史料を情報化し、因果推論という統計方法を用いて、計量分析になじまないとされてきた大きなテーマの説明変数の影響を科学的に検証する歴史政治経済学が盛んになっています。本講義では、まず研究結果を理解するための統計学的なリテラシーを学びます。そして、下記の「授業内容」で示す様々な歴史的な出来事が、その後の社会にもたらす影響を学びます。授業で扱う研究は、英語のものが多いですが、翻訳ソフトや文法校正などを駆使すれば対応可能だと思います。

学修の到達目標/Goal of Study

計量分析を理解するための基礎的なリテラシーを習得する。
因果関係を記述する方法と因果関係を特定する統計手法に関する基本的知識を習得する。
様々な歴史的イベントが、その後の社会にもたらす影響を理解する。

授業内容・方法と進度予定/Contents and Progress Schedule of the Class

講義は論文、スライドに沿って進めます。一回の講義は、前回の復習と質問(10分)、Google Classroomによる小テストとその解説(20分)、講義(60分)の構成で進めます。
授業では、まず各テーマの背景を説明します。また、毎回授業の1週間前を目安に論文を数篇アップロードします。ほとんどが英語なので全てを詳細に読む必要はありません(ライセンス的に問題がなければ日本語に機械翻訳したものもアップします)。概要(Abstract)や図表を中心に大意をつかむようにしてください。余裕のある人や興味のある論文については、序章(Introduction)を読むと良いでしょう。また、小テストのための復習として、その週の授業で説明した論文で取り上げた箇所を読み直すのも良いでしょう。
本講義は基本的に対面授業で行いますが、各種感染症やその他の事情で一部の回をオンライン上でのオンデマンド(ビデオ)実施とする可能性があります。

1  講義の概要(イントロダクション)
2  回帰分析と解釈方法
3  因果関係の記述方法と発展的な分析手法
4  自然災害
5  戦災
6  戦争
7  政治的抑圧
8  奴隷制度
9  植民地
10 政治体制
11 所有権変更
12 文化・宗教
13 技術伝来
14 政治制度・政策
15 講義のまとめ、予備日

成績評価方法/Evaluation Method

毎回の講義の小テスト(50%)と期末レポート(40%)、授業中の態度(10%)で評価します。
小テストは、Google Classroomを用いて前回の講義の内容の理解を問う問題を出題します。
期末レポートは、次の3つのいずれかのテーマから15ページ程度のスライドを作成してください:(1)授業では歴史的な出来事は、原因として取り上げられています。ここでは、あなたが関心のある結果を選び、授業で扱った研究を結果変数を共有する(あるいは近い)ものでまとめてください。この時、授業テーマ以外の結果の説明要因についても簡単に説明し、それら要因と授業テーマとの間の関係性についても論じてください。(2)授業で取り上げたテーマあるいは、あなたが考えるテーマに基づき、授業で取り上げなかった研究を1点ないし2点選択し、授業中で紹介したのと同じフォーマットでその研究を紹介するスライドを作成してください。(3)歴史的な出来事や風習として具体的な事例を取り上げ、それがどのような一般的な出来事の特殊例で、どのような結果をもたらすと考えられるのかを事例研究か計量分析を用いて考察してください。題材となる論文の学術的重要性、解釈や考察における事実関係の正確性、論理の一貫性、視点の独創性、そしてスライドを通じてこれらを効果的に伝えられているか基に評価します。
授業中の態度は、こちらから質問した内容に対する回答と授業内容に対する質問について、積極性や正確性、独創性を基に評価します。

教科書および参考書/Textbook and References

  • 因果推論入門~ミックステープ:基礎から現代的アプローチまで(※英語版はWeb上で無料公開されています), Scott Cunningham, 技術評論社 (2023) ISBN/ISSN: 9784297134174 資料種別:参考書
  • 社会科学のための統計学入門 実例からていねいに学ぶ, 毛塚 和宏, 講談社 (2022) ISBN/ISSN: 9784065284506 資料種別:参考書
  • 政治学と因果推論, 松林 哲也, 岩波書店 (2021) ISBN/ISSN: 9784000269995 資料種別:参考書
  • 社会科学のためのデータ分析入門(上), 今井 耕介, 岩波書店 (2018) ISBN/ISSN: 9784000612456 資料種別:参考書

授業時間外学修/Preparation and Review

予習としては、次週の内容に該当する書籍・論文に目を通してください(60分)。
復習としては、次週の小テストで回答できるように授業で学んだ事を確認してください(60分)。
関連学習としては、過去・現在を問わず、後の世に与える影響の大きさという観点で世界の様々な出来事が未来を永遠に変える可能性について自由に思索してください(60分)。

授業へのパソコン持ち込み【必要/不要】/Students must bring their own computers to class[Yes / No]

講義の初めにGoogle Classroomで小テストに回答するため、スマートフォンで入力するのに時間がかかる人は、PCを持参してください。回答ができれば、タブレット等、その他の電子機器でも大丈夫です。

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